[かのかり妄想] 二人の妄想クリスマス
私は練馬大学の学部1年生。半月前にカレと付き合い始めた。彼の名前は木ノ下和也。私はカレを「和君(かずくん)」と呼んでいる。今日は和君とカフェデートに行く予定だ。予定よりちょっと早く待ち合わせ場所に着いた。
和君「麻美ちゃん。遅くなってごめん。待った?」
私「時間ぴったりだよー。全然。」
和君と私は、喫茶店に入った。
店員「ご注文は?」
私「私、ラテとコーヒー葛ゼリー。和君は?」
和君「じゃぁ、麻美ちゃんと同じコーヒー葛ゼリーにしようかな」
注文したゼリーと飲み物が届いた。私のラテにはクマのイラストが描かれている。かわいい。
私「じゃ、食べよっか。いだたきます。」
葛ゼリーを食べながら和君と話し始めた。
私「まだ先のことだけど、クリスマス、どうしよっか? こんな話したら鬼が笑うかな」
和君「ゑ!? 鬼が笑う? どういうこと?」
和君「クリスマスかぁ。何にも考えてねぇなぁ。今までは、実家で家族とクリパして、ばあぁんの手料理食べたりしたけど。」
私「和君この前、一緒に実家に来て欲しいって言ってたけど、さすがにまだ早いよー。今年は私と二人で一緒にすごそっ」
和君「二人で一緒に!?」
和君が目をランランとさせてる。(そっか、今まで彼女と一緒にクリスマス過ごすなんて経験してないんだな。私もだけど)
和君「オレ、今まで彼女とクリスマス過ごすなんてしたことないから、よくわかんねぇけど…。どうしようかなぁ。🤔」
和君「ウィンドウショッピングして、そのあと夜景のきれいなレストランでディナーとか?」
私「それ、いいかも。私はねぇ、和君と一緒にスパリゾートハワイアンズに行きたいな。一泊で。あそこのホテルの支配人と私の親が仲良いから、私よく行くよ。和君はハワイアンズ行ったことある?」
「いっ一泊デート!?」と叫びながら、和君はさっきよりも目をらんらんとさせている。うけるっ。
和君「ハワイアンズはオレが子供のころから、隔年で家族旅行に行ってる。あそこ、楽しいよな。プールとかスライダー、温泉もあるし。冬でもプール遊べるし。」
私「そうそう。ハワイアンズいいよねぇ。私の水着も和君に披露しちゃおうかな❤」
和君「み、水着!? 麻美ちゃんの水着!」
和君はテーブルの下に手を置き、下を向きながらもじもじし始めた。
私「ん?」
「麻美ちゃんの水着かぁ。」と独り言をしながら、和君は上の空だ。
私「何考えてたの!? 和君、私の水着姿を想像してたでしょ!?和君も男の子だね」
和君はドキッとして、私の方を見つめた。
和君「ゑ!? そ、そ、そ、そんなことないよ!!」
私「へぇ。どうなかぁ。和君は私がどんな水着着てたらうれしい?」
和君「麻美ちゃんの水着なら、どんなのでもうれしいよ。」
私「ほんと!? うれしい。冒険して、露出高めのにしちゃおうかな。」
和君「ろ、ろ、露出高め!?」
和君がまた、テーブルの下に手を置き、下を向きながらもじもじと始めた。また上の空になった
私「じょーだん。フリルのあるやつがいいかな。あ、それかワンピ型とかどう?」
和君は上の空だ。完全に妄想モードに入ってしまった。
私「かーずーくん」
私は話題を少し変えた。
私「ハワイアンズってチャペルもあるんだよねぇ。」
和君「そうそう、うちの親あそこで挙式したんだって言ってた」
私「へぇ。そうなんだ。うちらもそうしよっか」
和君「ゑ!? 挙式って、結婚?」と叫びながら、和君が目を大きく開いた。
私「チャペルで挙式って言ったら、そうに決まってんじゃん。和君のご両親は違ったの?」
和君が首を横に振りながら「もちろんそうだけど…。麻美ちゃんと結婚…」
おっと、また和君が妄想モードに入りそうだ。
私「じゃぁ、結婚した後のクリスマスはどうしよっか? ほらぁ、この前二人で子供の名前考えたよねぇ。麻也(まや)」
和君「そうだったね。子供かぁ。」
私「まやって男の子でも女の子でもいける名前だよねぇ。麻也だったら男の子っぽいけど。和君は、男の子と女の子、どっちがいい?」
和君「男の子がいいかな。野球チーム作れるくらい欲しい。」
私「私、そんなに体力もつかなぁ」
「ゑ!?」と和君がばつの悪そうな顔をした。
私「じゃあさ、麻也へのプレゼントはどうしたい? 和君がサンタさんになるんだよ?」
和君「オレがサンタクロース? それってどういうこと?」
私「え? 和君がサンタさんになって、麻也にプレゼントしないと」
和君「サンタクロース、夜寝てる間にプレゼント置いてくれんじゃ…。オレのとこもずっとそうだったし。大学入って一人暮らし始めたけど、オレの家知ってるかな?🤔」
私「夢を持つのもいいけどさ、和君ももっと大人にならないとね」
和君「それってどういうこと?」
「もう少し経ったらわかるかも」と私は意味深に答えた。和君はまだサンタクロースを信じているらしい。
私「あっ、もうこんな時間! そろそろ店出よっか。和君とクリスマスの話できて、楽しかった。」
私たちは店を出て、お互い帰路に着いた。
和君はまだサンタクロースを信じているんだね。子供っぽいところもあるけど、そういうところも私は好きだ。和君から告られたとき、初めは誰でも良いって思っていたんだけど、今は和君が好きだ。親が厳しいせいで、太郎君とは上手くいかなかったけど、和君とは上手くいくのだろうか。和君と過ごすひとときは楽しい。
私たちが結婚して、麻也が生まれて、三人でこんな生活ができたら私は幸せだろうなぁ。でも、ウチの親厳しいし、太郎君の時みたいに親が直接和君に私と別れるよう説得するかもしれない。そうなる前に私から別れを告げるべきかもしれない。
いや、和君と駆け落ちしちゃおっかなぁ😆 和君なら、そういうことやってくれそう。
親が敷いたレールから外れることができたら……
なんて、理想主義(ゆめみがち)なことを言っても無意味かもしれない。
…………… 草
(おわり)
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