[かのかり妄想] Dr. SARASHINA

私は更科瑠夏28歳。自分と同じ状況の人を治したいと思い、医療の道に進もうと思った。私はもともと理系科目が得だったので、臨床心理士ではなく、医学系の道に進むことにした。専門は循環器内科。研修医を終えて、町の総合病院に勤めることになった。今日が、初めての診察、初めての患者さんだ。そこへ入ってきたのは、木ノ下和也さん&ちづるさんご夫妻だった。私はこの患者のことをよく知っている。奥さんの木ノ下ちづるさんは有名な舞台女優 一ノ瀬ちづるさんだ。今は産休で活動を休止している。いや、それ以前から、私はこの夫婦のことをよく知っている…。

 

かずちづ「瑠夏ちゃん?」

瑠夏「はい。お久しぶりです。お二人の担当医の更科瑠夏です。今日はどうしましたか?」

3人の会話が進む。

瑠夏「検査結果が出ました。母子ともに健康ですよ。元気なお子さんが生まれるとよいですね? お大事に」

かずちづ「まさか瑠夏ちゃんが医者になっていたなんでびっくり。恋愛に猪突猛進だった瑠夏ちゃんがあんなに立派になって」

 

今日来院した理由は、妊娠中は血栓ができやすいとのうわさを聞いたので、心配で検査したいとのことだ。ちづるさんは現在妊娠8か月。あと数か月すれば赤ちゃんが生まれるかな。そんな二人を見て私は複雑心境に。はならなかった。あと時、大失恋をしたが、自分はドキドキできるのだとわかった。自分と同じような状況の人を助けたいという思いが強くなり、医者を目指した。あの時の大失恋のおかげでいまの自分がいる。二人には感謝している。

 ちづるさんはその後も定期的に通院し、やがて元気な女の子が生まれた。名前は「和鶴(かづる)ちゃん」。和おばあちゃんが名付けたらしい。それ以降、私は和也さん&ちづるさんの かかりつけ医となった。ちづるさんの舞台をしばしば見に行くようになり、そこで偶然知り合った人と恋に落ち、やがてその人と結婚した。現在、私は、かわいくて腕のいいお医者さんとして、心臓や血液に病気を持つ子供たちや町の皆さんから人気の医者となり、幸せな結婚生活も送っている。

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