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[かのかり妄想] パンプキンケーキ③

しばらくして、和也、千鶴、瑠夏の三人は川沿いを散歩することになった。瑠夏が先に川沿いを散歩している。和也と千鶴の二人がなかなか散歩にあらわれない。瑠夏は不安になった。 瑠夏(もしかして、ケーキのブラフのことが千鶴さんにバレた? だとしたら危ない。あのケーキが千鶴さんの手に渡ってしまうかも… 瑠夏は強い不安に襲われ、急いで和也の部屋に向かうことにした。 すると、瑠夏の目の間にモンブランが置いてあることに気づいた。 瑠夏(私に必要なのは、あのパンプキンケーキ。モンブランじゃない。今モンブランのことを気にしていられない!) 瑠夏が急ぎ、移動しようとしたとき、突然、モンブランが川に落ちた。モンブランが川をどんぶらこ と流れていく。 瑠夏(今モンブランに構っていられない。和也君のところに行かなくちゃ!) と考えているにもかかわらず、瑠夏は無意識に川に入りモンブランを拾いに行った。 瑠夏『急に川に入りたくなっただけです』 瑠夏(和也君のところに行かなくちゃ。でも体が勝手に動いて、モンブランをひろいにいっちゃった。体と心が別に動いているみたいに…。私はどうしたらいい??) 和婆さんの千鶴への想い、麻美の揺さぶり、突然あらわれたモンブラン…。流川焦り、悩んでいる。 (つづく) x

[かのかり妄想] パンプキンケーキ②

次の日、瑠夏が千鶴の部屋を訪ねた。 瑠夏「あのケーキは私が食べました。和也がくれたんです。」『和也を後押ししたのは千鶴さんですからねっ』 瑠夏ちゃんは大きめの声でそういいながら、用意してきた袋を千鶴さんに向かって投げつけた。瑠夏ちゃんは、パンプキンケーキが入っていたものと全く同じタイプの袋を用意してきたのだった。 千鶴「……」   数日後…。千鶴は和也のもとを訪れた。 千鶴「パンプキンケーキのことだけど…。」「あ」「げ」「た?」 和也「あげてない」 和也は首を横に振り、それを否定した。千鶴はほっとしたようだ。 千鶴が一人で立っていると、そこへ和婆さんがあらわれた。 和婆「和也からパンプキンケーキのこと聞いておるじゃろ。あれはワシが千鶴姫のために作ったんじゃ。もし和也があのケーキを独り占めしたとしても、ケーキがもう食べられないなどと思ってくれるな。千鶴姫のためなら、パンプキンケーキはワシがいつでも作る!」 千鶴「……」 千鶴は目に涙を浮かべながら、黙っている。   瑠夏が一人で座っていると、そこへ麻美があらわれた。 麻美「和さんが作ったパンプキンケーキがあなたのものになるって言ったらどうする?」 麻美「千鶴さんはパンプキンケーキに興味がないって言ってた。でも急に興味を持って、和さんのケーキが千鶴さんのものになって、「対あり」でしたなんて言われたらつらいよね?」 瑠夏「それって、千鶴さんが和おばあちゃんのパンプキンケーキに興味がないことをばらすってことですか?」 瑠夏(もし千鶴さんがケーキに興味がないっておばあちゃんが知ったら、私のものになるかもしれない。でも本当のことを知ったら、おばあちゃんが悲しむかも…。)   瑠夏が和婆さんのもとを訪れた。 瑠夏「聞いてもイイですか?パンプキンケーキのこと…」 和婆「あれは、千鶴姫に食べてもらいたいと思って作ったんじゃ。でも千鶴姫が食べんでもええ。千鶴姫がおいしいものを幸せそうに食べおったら、それでええんじゃ。」 瑠夏(おばあちゃんは千鶴さんのこと本当の娘のように思ってる。かなわない。でも、私にはあのケーキしかない!あのケーキなら私もかぼちゃを食べられる。千鶴さんが食べなくても良いっておばちゃんが言うなら私にもチ...

[かのかり妄想] パンプキンケーキ①

瑠夏と千鶴が和也の家に遊びで遊んでいる。 和也「ばあちゃんがかぼちゃケーキを作ってくれた。水原にどうぞって」 瑠夏(私、今までかぼちゃは食べられなかったけど、あのケーキなら食べられるかも。おいしそう。ドキドキ) 瑠夏「そのケーキ、私が食べたいです!食べたい。食べたい」 瑠夏が駄々っ子のように手足をジタバタさせながら、騒いでいる。   和也(ばあちゃんは水原と食べるようにってくれたし、俺も水原と食べたいんだけど…) 和也は、千鶴のほうをチラッと見た。 千鶴「瑠夏ちゃんが食べたいって言うんなら、あげたらいいんじゃない」 和也(水原がそういうんなら…) 和也「このケーキ、瑠夏ちゃんにあげるよ」 瑠夏「わーい♪」   しばらく経ち… 千鶴(あのケーキ、私も食べたくなってきたかも…。でも、私が、瑠夏ちゃんにあげたらって後押ししたんだし、私が食べたいとは言いづらい) 和也(あのケーキは、やっぱり水原に食べてもらいたい) 和也「瑠夏ちゃんゴメン。やっぱりあのケーキは諦めてくれ。あのケーキは水原に食べてもらいたいんだ」   瑠夏「そう言ってくるかもって思ってました。でもあのケーキは私がもらったんです。私が食べるっ」 瑠夏(あのケーキなら、私でもかぼちゃを食べられる。私にはあのケーキしかないんだ) 夜になり、瑠夏と千鶴は和也の部屋を出ることにした。 (つづく)

[かのかり妄想] レンカノ香織と元カノ

私は、七海麻美。「香織」という名でレンタル彼女をしている。私は、人気 No1 レンカノを目指している。ライバルは水原千鶴さんだ。が、私はあいつのことを内心ちづこと呼んでいる。私はちづこのことが好きではない。 さて、私はそのライバルに勝つべく、常に、事前準備を万全にしてレンタル彼女に臨んでいる。予約したお客さんとの LINE でのやりとりや その人の Twitter のアカウントを見て、その人の好みやタイプを事前に把握し、お客さんが望むようなタイプの彼女を演じている。甘えん坊、小悪魔系、クール系、ツンデレ系 … 、どんな女性を求めているのか把握し、それに合わせた彼女モードでデートする。今回はどんなお客さんなのだろうか。 今回のお客さんは、木ノ下和也。私の元カレなのだが、今はちづこの常連だ。 どういうこと?和君がどうして私をレンタルするの?ちずこからの刺客?警戒しつつも、気持ちを切り替えて、お客さんに挨拶。 「あなたが木ノ下和也さん?ハロー。私、香織っ」と軽く手を振って、挨拶する。 和君は、私のこと気づいた上でレンタルしているのだろうか? 和也「こんにちは。香織さん…。って麻美ちゃん? 香織さんは麻美ちゃん? ゑ!?」 和君は頭の中が『???』状態になっているようだ。 私がレンカノって知らずにレンタルしたってこと?どういうこと? 🤔 私「和君、今日はどうして私をレンタルしようって思ったの?」 和也「水原が、香織さんってレンカノが好評で、レンタルすると元気になるって評判だから一度レンタルしてみたらどうかって勧めてくれたんだ」 私「へー、そうだったんだ。私が相手で驚いた?」 和也「すっげー驚いた。水原はどうして麻美ちゃんだって言ってくれなかったんだ」 私「事務所では直接会うことないから、気付いてないのかも。へぇ、千鶴さんが私を勧めたんだ。」   ちづこ、一体どういうつもり? 和君使って探り入れてるの?あいつは油断ならない。 私「ねぇ、和君。香織が私だってことは千鶴さんには言わないで? お、ね、が、い ❤  私たち二人だけの約束ね」 和君はどぎまぎしながらも、約束してくれた。 和君とはモールでウインドウショッピングして、そこのレストランで食事してデートを終えた。「バイバイ。またね」と軽く手を振って別れた。 帰宅。 ...

[かのかり妄想] VTuber SUMI-硯とお散歩篇-

私は、桜沢墨。私はもともと、人と話したりするのが苦手だった。私はそんな自分があまり好きではなかった。私はもともと女の子向けの特撮アニメが好きで、「あんな風に輝ける女の子になりたい」、「みんなに元気を与えられるような女性になりたい」と思い、アイドルを目指していた。でも人前で歌ったりするのは怖い。そんな自分を変えようと、レンタル彼女も始めたけれど、なかなか変えることができなかった。でも、レンカノ事務所の同僚 水原千鶴さんと木ノ下和也君の二人との出会いが、私を変えてくれた。千鶴さんはとても強い女性で、私のあこがれの女性だ。「私もあんな風になりたい」と思った。憧れの千鶴さんの紹介で客カレとして来たのが和也君だった。 千鶴さんからの「そんな墨ちゃんを好きって言ってくれるお客さんは 必ずいる」 和也君からの「優しいコが レンカノに向いてないわけねーよ!」 二人のこの言葉に私は救われた。人前で話すのが苦手でも、必要としてくれる人がいる。そんな私は今、 VTuber SUMI として、活動している。 今日は硯と皇居を散歩。その様子を動画配信しようと思う。スマホを腰のあたりに固定し、硯とその周りの動画を撮りながらのお散歩だ。皇居は堀の周りを一回りすると約 5km の距離、 1 時間 20 分ほどの散歩だ。ランナーや散歩している人も多い。硯が嬉々としてランナーを追いかけようとするのに耐えながら散歩している。硯がはしゃいでいる。そこへ対面から散歩してきた 70 代くらいの夫婦が話しかけてきた。ドキッ。 夫婦「かわいいワンちゃんだねぇ」「名前はなんて言うの?」 『ど、ど、ど、どうしよう…』 「硯ちゃんって言うんだ。こんにちは。硯ちゃん」と、その夫婦は硯のネームプレートを見ながら、慌てふためく私を見て察したように話してくれた。硯は「ワンっ」とその夫婦に元気よく返事した。 その夫婦が手を振りながら私たちを見送っている姿を動画に収めた。一安心。 と思ったのもつかの間。一難去ってまた一難。対面から散歩してきた二人組が話しかけてきた。 『ど、ど、ど、どうしよう…』 二人組「墨ちゃん、こんにちは。今日は硯のお散歩?」 話しかけてきたのは、どうやら私の知人の様だ。目を合わせられなかったから気づかなかった。ふと顔をあげるとそこにいたのは、私の恩人。水原千鶴さん、...

[かのかり妄想] SUMI

私は、桜沢墨。私はもともと、人と話したりするのが苦手だった。私はそんな自分があまり好きではなかった。私はもともと女の子向けの特撮アニメが好きで、「あんな風に輝ける女の子になりたい」、「みんなに元気を与えられるような女性になりたい」と思い、アイドルを目指していた。でも人前で歌ったりするのは怖い。そんな自分を変えようと、レンタル彼女も始めたけれど、なかなか変えることができなかった。でも、ある人との出会いが、自分を変えてくれた。その人の名前は、レンカノ事務所の同僚 水原千鶴さんと木ノ下和也君。千鶴さんはとても強い女性で、私のあこがれの女性だ。「私もあんな風になりたい」と思った。憧れの千鶴さんの紹介で客カレとして来たのが和也君だった。 千鶴さんからの「そんな墨ちゃんを好きって言ってくれるお客さんは 必ずいる」 和也君からの「優しいコが レンカノに向いてないわけねーよ!」 二人のこの言葉に私は救われた。人前で話すのが苦手でも、必要としてくれる人がいる。   私は発想を換え、人前に出なくてもアイドル活動できる方法を考えた。それは、 VTuber だ。アバターを使い、自分の声で歌を発信する。批判的なコメントもあるかもしれない。でも、私の歌を聞いて元気になってくれる人、必要としてくれる人がいるならそれでいい。最初は、好きなアニメのカバー曲から始めた。なかなか好意的なコメントをもらえないけれど、あきらめたくない。そこで、今度は自分で作詞作曲することにした。詩を書くのは苦手ではないし、ピアノを習っていたので、作曲もできる。曲名と歌詞は習字し、アバターを使って それも見せたりしながら、自分の歌を歌う。最初に提供した歌は「桜 Selfish 」だ。「いろいろ食べたい」そんな気持ちを歌にした。 「 SUMI ちゃんかわいい」「 SUMI ちゃんさいこー」「 SUMI ちゃんあざとかわいい。でもそこがいい」「私も食べたくなった」「 SUMI ちゃんの歌聞いて元気出た」「 SUMI ちゃんありがとー」 否定的なコメントもあったけど、「私の歌で元気になった人がいる」「私を必要としてくれる人がいる」。そう思ったら、すごくうれしくて、やる気が出てきた。否定的なコメントなんて関係ない。私を応援してくれる人、私を必要としてくれる人たちがいる。その最初の人は水原千鶴さ...

[かのかり妄想] レンタル彼女 香織

私は、七海麻美。「香織」という名でレンタル彼女をしている。私は、人気 No1 レンカノを目指している。ライバルは水原千鶴さんだ。   常に、事前準備を万全にしてレンタル彼女に臨んでいる。予約したお客さんとの LINE でのやりとりや その人の Twitter のアカウントを見て、その人の好みやタイプを事前に把握し、お客さんが望むようなタイプの彼女を演じている。甘えん坊、小悪魔系、クール系、ツンデレ系 … 、どんな女性を求めているのか把握し、それに合わせた彼女モードでデートする。   今日のお客さんは、小悪魔モードがタイプらしい。桜色のワンピースでコーデ。 「あなたが A さん。ハロー。私、香織っ」と軽く手を振って、客に挨拶。 小悪魔モード全開でいく。あざと可愛く、甘え上手に、かわいいしぐさでわがままを言って、ターゲット(客)をほんろうする。 「あのアクセかわいい。私、あれ欲しいな ❤ 」上目づかいでターゲットを見つめ、プレゼントをねだってみる。このターゲットは今度買ってあげると答えたが … 。「えー。今欲しいなっ」と、ご機嫌斜めな表情をみせておいた。夕食は予約殺到の人気店に連れて行ってもらった。かわいく「ありがとう」と言って甘える。食事中は、何気ない会話の間に、上目遣いでじっとターゲットの目を見つめ、「へー。すごーい」とリアクションしたり、かわいく相槌をうったり、つまらない話にも笑顔で対応する。会話の合間に「これ、 ○○ さん(ターゲット)だけに言うけど … 」「じゃあ、 2 人の秘密だねっ」といった小悪魔的フレーズも使ったり、「ほんとに?」と言いつつ、軽くボディタッチをしたり …… 。あの手この手で亜ターゲットをほんろうしていく。食事も終わり、お客さんともお別れ。「バイバイ。またね」と軽くハグをして別れた。   小悪魔モードの時の私は、甘えモードと不機嫌モードの演技で緩急つけて、お客さんを虜にしていくスタイルだ。帰宅。 Twitter の「沼」アカウントに今日の感想をツイート ♪ 「あの客の服のコーデいまいち」 「あんなにかわいくプレゼントをねだったのに、買ってくれないとかありえない」 「なにあれ? 自慢したかったの? 私のことバカにしてる?」 「水原千鶴。あいつ、人気 No1 だからって有頂天になってる...

[かのかり妄想] Dr. SARASHINA

私は更科瑠夏 28 歳。自分と同じ状況の人を治したいと思い、医療の道に進もうと思った。私はもともと理系科目が得だったので、臨床心理士ではなく、医学系の道に進むことにした。専門は循環器内科。研修医を終えて、町の総合病院に勤めることになった。今日が、初めての診察、初めての患者さんだ。そこへ入ってきたのは、木ノ下和也さん&ちづるさんご夫妻だった。私はこの患者のことをよく知っている。奥さんの木ノ下ちづるさんは有名な舞台女優 一ノ瀬ちづるさんだ。今は産休で活動を休止している。いや、それ以前から、私はこの夫婦のことをよく知っている…。   かずちづ「瑠夏ちゃん?」 瑠夏「はい。お久しぶりです。お二人の担当医の更科瑠夏です。今日はどうしましたか?」 3 人の会話が進む。 瑠夏「検査結果が出ました。母子ともに健康ですよ。元気なお子さんが生まれるとよいですね? お大事に」 かずちづ「まさか瑠夏ちゃんが医者になっていたなんでびっくり。恋愛に猪突猛進だった瑠夏ちゃんがあんなに立派になって」   今日来院した理由は、妊娠中は血栓ができやすいとのうわさを聞いたので、心配で検査したいとのことだ。ちづるさんは現在妊娠 8 か月。あと数か月すれば赤ちゃんが生まれるかな。そんな二人を見て私は複雑心境に … 。はならなかった。あと時、大失恋をしたが、自分はドキドキできるのだとわかった。自分と同じような状況の人を助けたいという思いが強くなり、医者を目指した。あの時の大失恋のおかげでいまの自分がいる。二人には感謝している。   ちづるさんはその後も定期的に通院し、やがて元気な女の子が生まれた。名前は「和鶴(かづる)ちゃん」。和おばあちゃんが名付けたらしい。それ以降、私は和也さん&ちづるさんの かかりつけ医となった。ちづるさんの舞台をしばしば見に行くようになり、そこで偶然知り合った人と恋に落ち、やがてその人と結婚した。現在、私は、かわいくて腕のいいお医者さんとして、心臓や血液に病気を持つ子供たちや町の皆さんから人気の医者となり、幸せな結婚生活も送っている。